根拠(2)

根拠をうまく探し出せない時は、自分自身へいくつかの質問をしましょう。客観的な視点で物事を考えたい時に役立ちます。

あなたと同じ悩みを持つ家族や友人が、あなたに相談をもちかけました。その時あなたはどんなアドバイスをしますか?

事実関係をいろんな角度から見つめ直し、整理すると、自動思考は間違っていると示す材料が見つかることがあります。

過去の経験の中に、その考えが完全に正しくないと示す出来事、矛盾する出来事はありませんでしたか?

例1:母親はいつも怒っている。
→一緒に同じテレビを見て笑い合うこともある。常に24時間怒っているわけではない。

自分の立場と他の人の立場を置き換えてみる。

例2:私は友人Aに嫌われている
→友人Bに「Aから嫌われてるみたい」と相談された。しかし学校での様子を観察する限り、AとBは仲良くしている。

このような質問を繰り返すうちに、自動思考に反する事実を思い出すことがあります。自動思考は正しくない・間違っていると証明する事実を思い出した時は、「反証」に記録します。

状況
5月21日の夕方、お母さんにテストで100点を取ったことを話した。
気分
恐い90% 緊張50%
自動思考
次のテストも100点を取らないと怒られる。80%
怒られるのは恐い。60%
根拠
85点を取ったことがある理科のテストで、52点を取ったら叱られた。
反証
叱られたのは点数が30点近く下がった時だけ。他の科目で10点下がったときは叱られなかった。
普段の母親は優しい。恐いと感じたことはない。
     

激しい感情は勘違いを生みやすい

物事を悪い方向に考える時は、悪い結果が起きた経験を思い出したり、客観的な視点を忘れることが多いです。

「子供の帰宅時間が遅い。また電車の停車駅を寝過ごして終点に行ったのでは?」この不安感の元は過去の出来事です。

「彼氏が知らない女の子と喋っていた。また浮気されたのかも」知らない女の子は、家族や職場の同僚かもしれません。

怒りや悲しみのために状況を細かく判断できないでいると、心の中で「こういうものだ」という信念に近い結論を出しやすいです。

根拠、反証で客観性を取り戻す

認知療法の根拠は、自動思考の正しさを裏付けるもの。反証は自動思考を否定する材料です。

根拠と反証の両方を紙に書き出すと、自然にバランスの良い考え方ができます。時には気分の落ち込みを緩和することもあります。

二者択一的な思考は、現実に合わないことが多いです。無意識の信念、「こういうものだ」という価値観の固定化は、推論の誤りを生じさせます。

完璧、完全に悪いという白黒の二分法的な思考は、世の中の全てを割り切れるものではありません。中間的なグレイゾーンに留まる出来事が多いのが現実の世界です。

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